第3章 頼ること
「大丈夫?」
優しく声をかけると
『ちょっと口が切れました』
本当はかなり痛いはずなのに笑顔で言う
「なんで、そんなに笑ってるの?泣いていいんだよ。やっぱり俺より内山くんのほうが頼りがいがあったかな?」
『そんなことないですよ……私高校の時も同じようなことがあったんです』
「え」
『高校の時付き合ってた彼がいたんですけど、遊びだったんです。今回も遊びだったんですかね?本当に昔から男運なさすぎて笑えますね』
そう言って傾く夕日をみる彼女は消えてしまいそうなくらい儚かった
「大丈夫だよ」
彼女をブランコから立ち上がせると
そっと抱き寄せた
『か、柿原さん?』
「大丈夫だよ。きっといい人が見つかるよ」
『……ありがとうございます』
震えている声から泣いていることが分かる
抱きしめる力を強め頭を撫でた
"その人が俺になるといいな"
----徹也side end----