第49章 谷地仁花の日記(その2)
放課後。
かなたちょんは、言われた通り部活棟の裏で待っていた。
(ちょっ!?狭いんだけど!)
(お前がデカいんだよ。ひげちょこ)
(えぇ!俺のせい!?)
先輩方は、階段側から覗いている。っていうか、丸見えである。田中先輩と西谷先輩は、部室で縁下先輩方と窓から様子を伺っている。
(こらっ、西谷!脱走しようとするな!田中!ガン飛ばさない!)
(我らがマネに…何処のどいつだ)
(許すまじ…)
うん。あちらもいつも通り。
それにしても、誰なんだろうか。ちゃんと名前を知ってるんだから、顔を見ればわかる…よね。
───
『部活始まっちゃう。そろそろ…』
「春風さん」
『?』
あ、誰か来た。でも、女子の…先輩?
はっ!もしや、
~仁花脳内劇場~
(一年のくせに、調子にのるんじゃねぇよ!)
(そんなこと…)
(あるから言ってるだよ)
(わ、私そんなことしてません)
~終了~
なんてことになったら、どうしよう!!
「は、早く助けなきゃ!」
「待って仁花ちゃん。あの人…」
「清水先輩。あの先輩知ってるんですか!?」
「うん。確か…」
つづく