第46章 さりげなく
「春風さん!荷物持ちますよ!」
『あ、犬岡くん。練習で疲れてるのに』
「いいんスよ。うちにマネいないから、こういうのやってみたかったんです!」
『ありがと。じゃ、お願いします』
「ッス!」
『犬岡くんって、気がきくしモテるでしょ?』
「そ、そそそそんなことないッス!春風さんこそ、綺麗だから…その…」
『そんなことないよ。私、無愛想で人見知りだから』
「そう言えば研磨さんも言ってました」
"「俺と同じで人見知りだし、あんまり笑ったりしなくて無愛想だから昔はイジメられそうな時とかあった」"
『あぁ…うん。それ以上は聞いてないよね?』
「?はい」
『私の黒歴史だから、それ以上は傷を抉らないで』
(おい、犬岡ぁぁ!お前、烏野のマネと何話してた!?)(いえ別に…重そうだったので手伝ってました)(な"っ!)(山本さん。いい加減に女子に自然に話しかけませんか?)(お前…俺に自滅しろと言ってるのか)