第33章 さすが、旭さん！

『旭さん』
「あれ、春風？今日、谷っちゃんと委員会じゃなかった？」

そう、今日は委員会。しかし、その前に旭さんにどうしても付き合って貰わなければならない。

『そう、なんですけど…お願いがありまして』
「ん？俺で良ければ」
『よかった！あの、付き合って下さい！』
「は！？や、あの、そんな急に…こ、心の準備が…」
『体育館裏まで！』
「…え？」



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東峰side


「つまり、2年の先輩でしつこい人がいて断るのを手伝って欲しい、と？」
『…ハイ。ほ、本当にスミマセン。旭さんにしか、こういうこと言えなくて…』


俺しか…って！な、なんか誤解しそう。
でも、頼られるのはいいけど大地とかスガの方がこういうのは得意そうな気が…


「大地とスガには言ったのか？」
『…前に相談したら、背中に隠されてたので顔までは見えなかったんですが…背中からスゴいオーラを出してました。それで、相手の人逃げて行っちゃって…』
「あ、あぁ…」


なんだか、妙に納得できる。"アノ"顔で見られたら、逃げたくもなるよな。


───


『あの人…なんですが』

「春風さん！来てくれた…ん…だ……え？」
「何か用かな？」
「いえ、あの、その！すすすすすすスミマセンでしたぁぁぁぁ！！」

春風の後ろにいた俺の姿を見た途端に、2年の男子は全力疾走で逃げてしまった。

『さすが旭さんです！』
「や、あの…何もしてないんだけど…」



(春風！1組のヤツに告られたのか！？)(許さん！)(いえ、告ら)(アイツは俺らがシメるっ！)(安心しろ！)(だから、この2人には知られたくなかったんです)(田中、西谷。春風は告られてないよ。話す前に俺の顔見て…逃げたから…)((マジッスか！旭さん、さすがです！！))