第10章 If 梟谷に入学してマネをしていたら
「春風さん」
『はい?赤葦さん。どうかしましたか?』
「今日は先輩達は進路相談で遅くなりそうです」
『わかりました。じゃ、マネは私だけですね』
「はい。特に木兎さんが時間かかりそうな気がします」
『あはは…否定が出来ないですね』
「明日は練習試合があるし、今日は早めに切り上げるって先生も言ってました」
『了解です』
その頃の1年女子の会話。
「春風さんが…春風さんが、赤葦先輩と話してる!」
「に…に…似合ってる!」
「絵になる!写メ撮って、美術部の人に描いてもらいたい」
「あっ!赤葦先輩が春風さんに飲み物渡してる!」
「絶対付き合ってる!」
「これ、この間のお詫び」
『別に気にしないで下さい。ハンカチくらい』
「キャーッ!春風さんも素敵!」
「どっちとも付き合いたい!」
『あの赤葦さん』
「えぇ、さっきから1年生が俺たちを見てる気がしますね」
『……実はこの間、足を捻って座っていた子を保健室まで運んであげたら、あんな感じの人が増えちゃって…』
「春風さんの男前ぶりを木兎さんに見習わせたいですね」
『木兎さんに余計な事を求めてはダメです。肝心な部分が抜けたら大変ですから』
「春風さんも結構言いますね」
(へっくしょおい!)(お前ッ!汚ねぇぞ、木兎!)(誰かが俺を呼んでいる!?)(そう言うのは、噂されてるって言うんだよ)