第9章 狂った世界。
それから、私は蘭丸さんに連れて行かれるまま
電車に乗り、2駅ぐらい進んだ。
そして、その駅を降りると、
蘭丸さんは花屋へ向かった。
「こんちわー!今日もお花よろしくー!」
蘭丸さんが笑顔でそう店員さんに話しかけると
店員さんも嬉しそうに蘭丸さんに駆け寄ってきた。
「こんにちわ!今日も彼女のお見舞いですか?じゃぁ、今日は…ガーベラの花束にしますね!」
「おう!よろしくなっ!」
蘭丸さんはニカっと笑顔になった。
店員さんはお花を選びながら、チラっとこちらを見た。
「あれ?その子は?」
「ん?あぁ、りっちゃんの友達だっ!」
蘭丸さんは私の方を向いた。
「あ、こんにちわ。」
私も少し遅いが店員さんに挨拶をした。
「あらそうなんですねぇ♪こんにちわ!」
店員さんは再びニコニコしながら花束を作成した。
蘭丸さんは出来上がった花束を受け取ると
また、私の手を引いて歩きはじめた。
しばらくすると見えてきたのは大きな病院だった。
蘭丸さんはその病院の前で立ち止まった。
「なぁ、雛っぴ、これから何を見ても普通どおりにしててくれ。りっちゃんが悲しむから。」
蘭丸さんはそう言って悲しげに笑った。
「…?はい。」
私はよく意味がわからなかったが、
そう返事をした。
そして、蘭丸さんは私の手を再び引いて
病院の中へと入って行った。