第11章 〈土ミツ〉いとしすぎて
side.土方
ーー他の誰よりも好きだ。
そんな言葉、言えるはずがない。言える立場じゃないこともわかっている。それでも、お前に言うことができたなら……少しでも自分の心が楽になるのだろうかと思ったこともあった。
いつか、いつか……天国に行ってからでもいい。来世でもいい。いつか、また2人で隣同士で並んで歩いて、楽しく話して……そんな日々を過ごすことができたら、それだけでいい。
俺はため息をついた。
ーー俺はいつからこんなに女々しくなったのだろうか……多分、あの後からか……。
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