第5章 〈銀魂〉〇〇しないと出られない部屋
ーー意識が遠のいていく。おかしいな……さっきまで教室で勉強していたはずなのに……。
「新八! 新八!」
あれ? なんか凄く聞き覚えのある声が聞こえる気が……。
「新八!」
「グハッ!?」
いきなり顔を強く叩かれて、僕は目を覚ました。
「新八! やっと目を覚ましたアル!」
「か、神楽ちゃん? どうして……」
目の前には、瓶底眼鏡をかけたオレンジ色の髪の毛を2つの団子にしている女の子がいた。ーー彼女は神楽ちゃん。3-Zの同じクラスメイトで、留学生だ。学校が終わって、さっさと帰ったはずなのに……。
「アタシも分からないアル。いつの間にか、この部屋にいたネ」
僕は部屋を見渡す。真っ白な部屋には何もない。部屋にいるのは僕と神楽ちゃんの2人だけ……。
(……これって……)
ーー俗に言う、『○○しないと出られない部屋』ではないか? と言うことは……。
(僕と神楽ちゃんが!?)
「はいはい、そこまでー」
頭に固い何かが当てられる。結構痛い。この声は……。
「あ! 銀ちゃん!」
3-Zの担任、坂田銀八先生だった。
「新八くん、変なこと考えてんじゃないよー」
「な!? 変なことなんて考えてないですよ!」