第2章 〈沖田〉罪と罰
「おら! さっさと入れ!」
「……」
私は言われるがままに、真っ暗な部屋の中へと入れられる。手が縛られていて、思うように抵抗ができない。
「……」
ーーどうしてこうなった? 誰にもバレずに、依頼者に頼まれた人間を抹殺した。作戦は完璧だった。何故バレた? 誰か情報を流していた人がいたのか?
「……」
ーーとにかく、今は黙って耐えるしかない。何を言われても、知らないと言うしかない。肯定してしまえば、重罪が決定してしまう。最悪、今までやってきたことまでバレたら死罪だ。それだけは避けなければ……。
「失礼しやァす」
誰かが部屋の中へと入って来た。
「……沖田総悟」
悪党なら誰でも知ってる。ーー真選組1番隊隊長。剣の腕前なら、真選組随一と言われている。
「……」
(私の運も尽きたか……)
ーーこいつが出て来たということは……私を処分するためか……。
目の前まで歩いて来て、私を見下ろしている茶髪の男を睨み付ける。
(……まだ……やりたいこと……できてなかったな……)
ーー殺し屋をしていれば、自分の両親を殺した人間を見つけることができると思っていた。誰も頼れず、1人で生きて来た。復讐のためだけに。
「そんな身構えねェでくだせェ」
冷たい目と目が合う。感情がない目。