第9章 第9章 銀色 しろがねいろ完
───ガチャンッ
セーフハウスのドアがあく音がした。
私はため息を吐く。
今日は来客の予定なんてない。
勝手にうちに入ってくるやつなんて
たった1人、あいつしかいない…
「なんの用なの?いつも言ってるじゃない、来るなら連絡くらいしろって!!!」
「あ?別にいいだろ?いつもの事だ。」
そう黒い服を身につけ、長い銀髪、鋭い目、
黒の組織の幹部ジンだ。
ため息しか出てこない。
不機嫌そうなジンに問う。
「で?用件は?」
「飯。」
「……ハァ……。今日はオムライスだけど?」
「ああ。」
ったく、ほんとにいい加減にしろっての。
たばこを吸っている機嫌の悪いジンに呆れつつ、作りかけていた自分の分のオムライスと追加で奴の分も作ってテーブルに並べる。
「できたよ。」
そう声をかけるとジンは無言でたばこを消し、席について食べ始めた。
それを見て私も食べる。
うん、なかなかの出来だ!
それにしてもあのジンがオムライス……
すげぇ絵面だよね?
心の中でクスリと笑う。
表情に出せば銃弾が飛んでくるしね。
ああ怖い、怖い。
でもま、これは私だけの特権。
ジンのこんな姿見れるのは私だけ。
ふふ、悪くないわね。
このままもっと懐いてくれないかしら?
私なしじゃ、生きていけないくらいに、ね?