第6章 烏羽色 からすばいろ 完
「あ、平子隊長だ。おはよーございまーす。えいッ!!」
可愛らしい掛声と同時に平子真子の顔に蹴り入れる。
彼女は肩まで伸びた黒い髪を揺らしながら、蹴りが上手く入った事を満足気に頷いた。
「さくら、お前コラァ……!
上司が上司なら部下も部下やな。
どうゆう教育しとんねん、十二番隊は!!」
「猿柿副隊長もいつも言ってるじゃないですか。
平たい顔してるのが悪いんですよーだ。」
鼻を押さえながら起きあがった平子真子は、頬を膨らませながら謝る素振りも見せないさくらにため息をついた。
「ハァ…。まァ、ええわ。ほんでさくら何の用や?」
「えッ!?
平子隊長見つけたから挨拶ですよ。」
「蹴るんがあいさつゥ?んな挨拶がどこにあんねん。」
「ここッ!!」
どや顔するさくら。
平子真子は眉を吊り上げ、拳骨を落とす。
「俺は隊長やぞ。もっと敬わんかい!」
「いったーい!」
頭を抱え蹲るさくらを笑いながら見る平子真子であった。