第2章 優しいキスをして〈2〉
【なあなあ、今何してるん?】
【既読スルーはあかんで】
【なあなあ、構ってくれへんとオレ泣いちゃうで】
【放置プレイは好きやないねん】
「──放置プレイって……」
思わず声にだしてしまった。
いろいろとツッコミをいれてしまいたくなるのをグッと堪える私。
ひきりなしになるLINEの着信音
あの夜、青木くんと出会ってから私の生活の一部が変わった。
用もないのに青木くんからLINEがくる。それに対して私はほぼ既読スルーをしている。
それでも青木くんは取り留めもない内容を送ってくるから……私としてはちょっと困ったりしてしまうんだけど。
嫌ならブロックしちゃえばいいのに……
青木くんはイケメンの部類に入ると思う。
頭も悪くないし、運動神経もいいらしい。
そんな青木くんが私の事を好きって言ってくれても、私には信じらない。
私は人に好かれるような人間ではない
忌み嫌われる存在でしかないんだから。
「はぁ~……」
LINEの画面を見てはため息が出てしまう。
どうして私なんかを構ってくるのか謎なんだけど……
青木くんの本心がどこにあるのかわからない。
ただ、1つだけ言える事は
「私に構っていたら不幸になっちゃうよ」
苦笑いを浮かべて私はスマホの電源を落として、眠りについた。