• テキストサイズ

神様の悪戯

第6章 "その人"の名前


黒川さんと出会ったのは6月の梅雨時だった。

気が付けば、もう11月。
季節は変わり、秋が訪れた。

今朝は起きると黒川さんがいた。

「おはよう黒川さん…今日はちょっと冷えるね。」

「おはよ。そうだな…もう11月か。」

私は温かい紅茶とコーヒーをいれ、黒川さんにコーヒーを渡した。

「ありがと。」

黒川さんはマグカップを受け取って微笑んだ。

「黒川さん今日は休みなの?」

「うん。」

「そっか。」

季節は変わったが、私達の関係は変わっていなかった。

変わったことと言えば、私が黒川さんを好きになったことくらいだ。

黒川さんは相変わらず秘密主義だし、私のことをどう思っているかも分からない。

ただ、私が仕事探しをすることを良く思わず、私も最近は求人サイトを見なくなった。

しかしいつまでこの日々が続くのだろう。
明日、突然黒川さんが私の前から姿を消すのではないだろうか…そんな漠然とした不安を抱えていた。

私にとって黒川さんは、近くもあり遠くもある存在だ。
/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp