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神様の悪戯

第2章 恐れていたこと


目を覚ますと、全てが終わっていた。

「無事に終わったからね。黒川を呼んでくるよ。」

「蜂谷先生、ありがとうございました。」

「いいんだよ。黒川の頼みじゃ断れないしね。」

蜂谷先生は意味深な言葉を残して部屋から出て行った。

「黒川の頼みじゃ断れないしね。」
それは、どういう意味だろう。

ただ単に、黒川さんと蜂谷先生はそれほど深い仲というだけだろうか…。
しかし、いくら考えても分からないことだ。
これ以上深く考えるのはやめよう。

私はお腹に手を添えた。
もう、いないのだ。

心の中で安心感と罪悪感が入り交じり、涙が出た。

黒川さんが部屋に入ってきた。

「まーた泣いてる。」

黒川さんはベッドの横にしゃがみ込み、私の涙を指で拭った。

「お前、意外と泣き虫だよな。」

「うるさい。それより、お金いくらかかった?
少しずつになっちゃうけどちゃんと返すから…。」

「あー、いらないいらない。そんな端金。」

「でも…。」

「そんなことより、体どう?」

然り気無く話題を変えられてしまった。

「大丈夫。」

「よかった。じゃあ帰るか。」

私は黒川さんにアパートまで送ってもらった。

「黒川さん、ありがとう。あれから一度も連絡してなくていきなりこんなこと頼んだのに…。」

「別にいーよ。また何かあったら連絡しな。」

そう言って黒川さんは去って行った。
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