第1章 嘘でしょ?
私は飛び出した。このくだらない人生を終わらせる為に
ーーートラックに跳ね飛ばされるまであとーーー
……だった筈
なのにどうしてだろう
身体の節々が痛い
嗚呼、死ねなかったのか
ゆっくりと目を開ける
「あ、起きた」
「……なにこれ?」
私が目を覚ますと目の前には黒いのがあった
「命の恩人に向かってそれは無いでしょ」
見たことのある髪型、見たことのある顔、そして部屋に掛けられたファー付きのコート
まさか……
「折原 臨也?」
一応小声で言ったのだがこの静かな空間で聞こえない訳がなかった
「知ってるんだ?」
私は思った
(やってしまった)