第3章 悲しい過去
*優姫視点*
……ザアァァァ…………
波の音が聞こえる砂浜で、ある2人の男が叫んでいる。
嶺二「ギラギラと僕らを照りつける太陽!」
音也「キラキラと輝く海!」
嶺二「これぞ夏! 行くよ、おとやんっ!」
音也「うん、れいちゃんっ!」
そうして2人は海へと走っていった。
そんな2人を見守る私達。
……いや、呆れているのか。
藍「…全く、1日目からあんなテンション高いなんて。
ホントバカみたいだよね」
(……私も、美風さんと同意見です)
今私達音楽部はこの夏休みを使って合宿に来ている。
ことの始まりは3週間前____
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…………ミーンミンミーン
音楽室の窓の外にいるセミの鳴き声が夏を感じさせる。
『暑いぃ…………』
無事テストが終わり、夏休みを迎えた私達。
嶺二『……みんなー、ちょっと聞いてー! 』
部活の最中、寿さんのそんな声が聞こえた。
皆の視線が寿さんに集まる。
嶺二『この夏休みに、音楽部で合宿に行きたいと思いまーすっ! ちなみに、場所はレンレンの別荘! もう許可はとってあるよんっ!』
そして、寿さんは軽くウインクをした。
(合宿かぁ、楽しそうだな…………)
嶺二『綺麗な海もあるし、みんなで行こうよ! 絆を深める為に!
これ、全員参加ねっ!』
蘭丸『はぁ? 冗談じゃねぇ。そんなメンドイもの、誰が行くか……(嶺二『美味しいお肉食べれるのにな……』……何っ!? …………しょうがねぇ、行ってやる』
(黒崎さん……お肉好きなんだ……
っていうか、切り替え早っ!)
嶺二『詳しいことは今度プリント渡すから、それ見てちょーだいっ!
ってことで今日はかいさーん! おつかれちゃーん!!』
セシル『……ガッシュク、楽しみです』
音也『あー!早く行きたいなぁ』
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そんな感じで現在に至るのだ。