第2章 粋月
久しぶりの声に久しぶりの体温、そして久しぶりのキス。
「はぁっ……晋助、さまっ」
「…ったく、エロい顔しやがる…」
まだあどけなさが残る、凛の月に照らされた色白の頬を高杉は優しく抓ってやった。
上気した頬に荒い息遣い。
少し涙を溜めたまぶたにキスを落とすと、凛は嬉しそうに笑顔を見せた。
「何笑ってんだ」
「晋助様に会えたのが嬉しくてです。ずーっと会いたかったんです。」
自分の腕にすっぽりと収まりながらニコニコと笑う凛の顔を見ていると、一つの感情が湧き上がる。
ーーーコイツのこんな顔、誰にも見せたくねェ。
そう思った時には、凛をそのまま甲板の上に押し倒していた。
「…晋助、様?」
「…随分と我慢してたんだ。久しぶりに気持ちよくしてくれよ」
これから起こることを察してか、凛の頬はみるみる赤く染まっていった。
「やっ…外でなんて恥ずかしいですっ…誰か来たら、」
「誰も来ねぇよ。俺達を見てんのは月だけだぜ」
すると高杉はチュッと軽く凛にキスを落とし、着物の帯に手をかけた。
~ 粋月 ~