第6章 HAPPY VALENTINE'S DAY \❤︎/
「…晋助様にチョコレート作れませんでした」
少しだけムスッとしながらそう言うと、高杉は凛の口についたチョコレートをぺろっと舐めとって言った。
「最高のバレンタインじゃねーか」
「せっかくおいしいものを食べてもらおうと思ったのに。」
「そもそもはお前が失敗したのがいけねえんだろうが。俺は反対によかったと思ってるがな」
「…む」
台や床、見渡すと辺りはチョコレートだらけで着物までもチョコレートがべっとりとついてしまっている。
これは後始末が大変そうだ。
「着物も、わたしと晋助様もベトベトですよ、もう!」
「俺の指しゃぶりながらあんだけよがってたヤツがよく言うぜ」
「〜!!!」
思い出しただけで顔から火が出そうだ。
だが少しだけノリ気だったなんて、絶対に言わない。
「途中から乗り気だったな?」
「の、乗り気なんかじゃありません!」
「来年のバレンタインもこれでいいぜ」
「……っ」
こんなに子供みたいに楽しそうに言うものだから、またやってもいいかな、なんて思ってしまった。
「うまかったぜ、凛」
「…晋助様はくれないんですか?わたしに、その、チョコレート…」
恥ずかしさを堪え思い切って聞いてみると、
「ホワイトデーまで我慢しろよ。」
フッと笑って抱き上げられた。
「風呂行くぞ。二回戦目だ」
「ええっ!」
「これじゃ食い足りねえ」
「ならチョコレート食べてください!まだありますから!」
「正直甘ったるくて好きじゃねえ」
「えええっ!?」
バレンタインも最後まで晋助様に弄ばれてしまいました……
とにかく皆さん、ハッピーバレンタインです!
~ HAPPY VALENTINE'S DAY ~