第33章 おかえり
「…これからも作ってくれよ」
「これからもずーっと、晋助様のために作ります」
テーブルには二人分の箸に二人分の茶碗。
向かい合って座ればなんてことない朝食の風景だ。
「そうだ、夜は何が食べたいですか?」
「夜は俺が作るぜ」
「晋助様、お料理できましたっけ…?」
「…得意ではねえがこれからは料理の一つや二つくらいできねェとな」
「わたしがやりますよ?」
「昔からお前には任せっきりだったからな、たまには俺がやる。教えてくれよ」
「もちろんです!今度わたしにも剣のお稽古してくださいね」
「あぁ。料理はからっきしだがそれなら俺にもできらァ」
「もっと強くなっていつか晋助様から一本取ってみせます!」
「上等だ。いつでもかかってこい」
食卓を囲む二人を、春のあたたかな日差しが優しく包み込んだ。
~ おかえり ~