第4章 コトバの紡ぎ方
「…へぇ、キスマークついてる」
「……え?」
「だからさっき一緒に風呂入った時、晋助の背中に引っ掻かれたような痕があったのかぁ」
いつもとは少し違う、神威はニヤリと笑うと呟くように言った。
「夜は激しかったみたいだね。全く、晋助は独占欲が強くて困るよ。でもまあ俺のおかげ?良かった良かった!」
「っ!!?」
凛は神威の視線がある首筋の痕に触れながら顔を真っ赤に染めた。
「凛ちゃんもけっこう大胆なんだね」
昨日のことを神威に悟られて、さらに凛の頬はみるみるうちに赤く染まる。だが高杉にそんなことをした覚えはなくて、凛は頑張って記憶を辿った。
「きっと気持ちよくて無意識に爪をたてたんだね。へぇ、晋助はテクニックもあるのか〜」
顎の下に手を当ててふむふむと頷く神威に凛も問いかけた。
「あの…これってどういう意味なんですか?」
「まぁ…簡単に言うと、独占欲の表れ?コイツは俺のもんだから手を出すなよ、みたいな?」
「っっ!!!」
神威はケラケラと笑うと今度こそ凛に背を向けて歩き出した。
「晋助とこれからも仲良くね。」
「……もうっ!晋助様〜!!!」
朝から船の中に凛の叫び声がこだました。
おわり❤︎