第28章 幸せって甘い
「あとでみんなで食べましょうね」
「ああ」
「ではお先にいただきます!」
お皿に乗ったショートケーキをフォークですくって口に運ぶ。
甘くてふわふわで、とってもおいしい。
「…ん〜おいしい!幸せ〜…♡」
ケーキを頬張りながら幸せそうに笑う凛を見て、高杉も反対側に座ってテーブルに頬付をつきながら笑みをこぼした。
「うめえか?」
「はい!とってもおいしいです!晋助様もどうぞ!」
「…一口」
差し出されたケーキを一口食べると、甘いクリームの味と酸っぱいイチゴの味が口いっぱいに広がった。
「どうですか?」
「…うまい」
「でしょ?今度は一緒に食べましょうね!」
ケーキを一口食べる度に笑顔になる凛を見て、心底思う。
「晋助様、ありがとうございます。とってもおいしくて幸せです!」
「…」
凛のこの笑顔が見たかった。
おいしそうにケーキを頬張る凛を見て、高杉も満足そうに頬を緩めた。
~ 幸せって甘い ~