第25章 かっこいい!かわいい!だいすき!
「ふぅ…」
凛が大きな袋を抱えて帰ってきたのはもう夕方になった頃だった。
重い袋を抱えて冷蔵庫の元まで辿り着くと、袋の中に入った食材を冷蔵庫に詰める。
すべて詰め終わると、凛は部屋へと戻った。
部屋で一息ついて、時計を見るともう針は7時近くを示していて凛は慌てて立ち上がり部屋の扉を開いたその時だった。
「っ!」
ちょうど部屋の前に立っていたのは高杉だった。
「晋助様かぁ…びっくりしたぁ…」
「……」
いきなりのことに驚いて胸をなでおろすと、凛は目の前にいる高杉に問うた。
「どうしたんですか?何かご用でしょうか?」
「…ずっと姿が見えねえからどこに行ったのかと思ってな。どこ行ってた?」
「あっ!ちょうど艦が止まったのでお買い物に行ってきました!」
「…一人でか?」
「はい」
「…」
高杉は一旦黙ると、その後に続けて言った。
「一人で出掛けんなって言っただろ?せめてまた子と行け」
「…ごめんなさい」
しゅんとする凛を見て、高杉は頭にぽんと手を置いた。
「…謝るこたぁねえが」
「…心配してくれたんですか?」
「…」
図星なのだろうか。
黙り込む高杉が可愛くて思わずニヤけてしまった。
「へへ、晋助様、どうぞお部屋入ってください」
扉の前から部屋の中に移動して、畳の上に座る。
「心配して探してくれてたんですか?嬉しいです」
「…」
笑いかけると、ゆっくりと高杉に引き寄せられて凛も高杉の体を抱きしめ返した。