第23章 もっと熱く、火照ってとろけて \❤︎/
お湯の温かさと高杉の体温で体がビクッと反応してしまったその時だった。
ビュウウウ
冷たい風が吹いて、二人を氷のような感触が突き刺した。
「っ…!」
「寒いっ!」
慌てて温泉の中に浸かると、お湯の中はとてもあったかくて心地良い。
「…寒いです」
「…寒ィな」
さすがの寒さに耐えきれず露天風呂をしばらく堪能して風呂から上がり髪を乾かして浴衣に着替える。
部屋に戻ると、そこには既に高杉の姿があって、襖の向こう側には布団がふたつ用意されテーブルの上にはいつの間にか豪華な懐石料理が並んでいた。
「こんなにたくさん…!」
食べきれないほどの料理の数に、一目でお腹がすいてきて凛も高杉の向かいの席に座った。
「…あ、待っててくれたんですか?お先にいただいてもよかったんですよ」
「…一人で食ってもうまくねえだろ」
「ふふ、そうですね」
高杉に笑いかけて、手を合わせる。
「では、いただきます!」
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「はぁ〜…もう食べられません…」
幸せいっぱいで凛はお腹をさすった。
「と〜ってもおいしかったです!」
「ならいい。」
「お風呂もお食事も最高でした〜」
そう言うと、凛は立ち上がって縁側の椅子へ移動した。
大きな窓からはしんしんと降り続く雪と、江戸では見ることができない満天の星空。
極上の至福の時間だ。
「…また子さんと万斉さんと、武市さんも来ればよかったのに」
凛がぽつり、呟いた。
「…アイツらには言ってねえよ」
「…え?」
「アイツらには今日のこと何も言ってねえ。…お前と二人で来たかった」