第23章 もっと熱く、火照ってとろけて \❤︎/
「…たまには温泉でも行くか」
外を眺めながら煙を吹かす高杉が唐突に言った。
「…温泉ですか?」
「あぁ。どうだ?」
雪を眺めながら入る露天風呂。
その景色を思い浮かべて、凛は即答した。
「行きたいです!」
と、いうことで。
高杉と凛は町から少し離れた温泉旅館を訪れた。
「わ、おっきい…」
こじんまりとした景観を想像していたが、その宿はとても立派な創りで一瞬入るのを躊躇ってしまうほどだった。
中に入るとさらにどこぞの映画に出てくるような豪華な温泉旅館で、玄関ではここの女将であろう女性や中居さんが頭を下げて迎えてくれた。
「高杉様、お待ちしておりました。この度は遠路はるばるお疲れ様でございます。どうぞ日々の疲れを癒しごゆっくりお過ごしくださいませ」
「お荷物、お預かり致します」
荷物を預けて部屋に通されると、その部屋はとても広々とした和室になっていてとても二人部屋だとは思えない広さだった。
大きな窓からは雪で白く染まった美しい庭が見えて、とても豪華な部屋だ。
「…すごい…え、足湯もある!」
「奥に露天風呂もあるぜ」
見ると、この客室専用の露天風呂もあって至れり尽くせりだ。
「晋助様、すごすぎます……!」
「豪華な方がいいだろ」
あまりの豪華さに少し怖くなる気がするが、そこは笑って凛は高杉の羽織を受け取り折りたたんだ。
するとちょうどそこに襖の奥から女性の声がして返事をすると、襖を開けて中へ入ってきたのは先ほどの女将だった。
「この度はお越しいただき誠にありがとうございます。本日は高杉様方の貸切となっておりますので心ゆくまでお楽しみくださいませ」