第21章 冷血硬派♡高杉くん \❤︎/
「はい、じゃあ出席とるぞー」
銀八は教壇に立ち、名簿を開いた。
教室を見渡していると、どういったことだろう。珍しく空席は見当たらなかった。
「…今日は全員出席………はぁ???」
今まで朝のホームルームから全員出席などありえなかった。
銀八はよく教室を見渡してみると、いつも空席のはずの机に今日は人が座っているではないか。
「……高杉ィ?」
「来てやったぜ」
当然のようにそこに座る高杉に、銀八だけでなく、3Zの誰もが驚いたことだろう。
皆が高杉に視線を送った。
「おいどういう風の吹き回しだ?頭でもぶつけたか?」
「そういう言い方はねえだろ。お前があんだけ来て欲しいって言ったから来てやったんじゃねえか」
机の上に足を乗せて言う高杉に、銀八は咥えていた煙草を手に持って言った。
「何かあったのか?」
「何もねえよ」
すると、前の席に座っていた桂が口を開いた。
「言ったように高杉も凛を危ない目にあわせまいと改心したのだろう。えらいぞ、高杉!!!」
「いや、来んのが当たり前だから」
「で?ほんとにそういう理由アルか?」
神楽が後ろを向いて高杉に問うた。
「……さぁな」
「はい図星でした高杉くんは案外チョロい男でーーす」
「先生、それは彼女思いって言うんですよ!」
高杉は論争にまるで興味がないというように一人でそろばんの本を読みふけっている。
その姿を見て、凛は嬉しそうに微笑んだ。
~ 冷血硬派♡高杉くん ~