第18章 君と眠りたい
「おかえりなさい、お疲れ様です晋助様」
外から帰ってきた高杉を笑顔で迎え入れて、凛は荷物を受け取った。
「あぁ」
「お荷物、お部屋にしまっておきますね。」
いつも通り高杉の編笠や羽織を高杉の部屋へしまうと、ちょうど高杉が部屋へ戻ってきた。
「あ、晋助様、」
押入れから布団を出して、箪笥から高杉の着物を出す。
着物を綺麗にたたむと布団の横へと置いた。
「お外、寒かったですよね。お布団とお着物も用意しておきましたので今日はもうゆっくりお休みになってください」
「すまねェな。…そういえば雪が降ってきやがった。寒いはずだぜ」
「今日は雪ですか…」
部屋の窓を少し開けて空を仰ぎ見る。
暗黒の空からは真っ白な雪が降り注ぎ、海の中に落ちては消える。
吹きすさぶ風が体を冷たく刺して凛はすぐさま窓を閉めた。
「すっごく寒いです…晋助様も体冷たいですよね、お風呂入りますか?」
「……まだいい」
そうは言ったものの、手は凍るように冷たいままで少しの温もりを求め高杉は凛の手に触れた。
「ひゃっ…!」
「冷てえか?」
「晋助様の手、とっても冷たいです。大丈夫ですか?」
凛は高杉の手を自分の手で包み込むと、ぎゅっとにぎりしめた。
凛の体温がとても温かくて心地よい。
「…あっためてくれ」
凛の手を離して、手が頬に触れる。
「つめたっ……」
凍るような冷たさに、ビクッと体を震わせる凛を抱きしめるとじんわりと体温が伝わってきてとても温かい。
凛に触れる心地良さと温かさで一気に安心感が増して、なんだか眠くなってきた。