第15章 白昼夢
涙を拭う凛を見て、高杉は何も言わず優しく凛の頭を撫でた。
頭に伝わる優しい手の感触に、またたまらず涙が溢れそうになる。
「…夢を見たんです。……晋助様がいなくなってしまう夢…」
何も言わない高杉に、凛は続けた。
「…晋助様がいなくなって、どこを探しても見つからなくて…それで、本当にいなくなってしまったのではないかと怖くなって…」
「……」
下を向いてぐっと涙をこらえる。
こうしていないとそのまま涙が溢れてしまいそうだった。
「…俺がいなくなる夢、か」
「…はい」
「…俺はここに居る。…もうお前を置いていなくなるこたぁねェ。……それに」
高杉は凛の肩を抱いて、どこまでも続く空を眺めながら言った。
「…死なねェよ。…この世界をぶっ壊すまではな」
~ 白昼夢 ~