第14章 Spirits \❤︎/
「んーー…」
自分の腕を抱き締めながらすやすやと寝息をたてている凛をただぼーっと眺めていると、突然寝返りをうった末にむくりと起き上がった。
「……」
凛は無表情のまましばらく高杉の顔をぼーっと見つめると、にっこりと笑って高杉に抱き着いた。
「えへへ〜晋助さまだぁ〜」
「……」
「んー、晋助様〜大好き、れす……ひっく」
「……」
あきらかに、泥酔している。
真っ赤な顔にとろんとした目、呂律のまわらない舌に熱い体。
こんなに酔った凛を見たのは初めてだった。
「晋助さまぁ〜…んっ」
「…大丈夫か」
「大丈夫ですよ〜…それよりも晋助さま、大好きれすっ」
「……」
「…ずっとずーーーっと一緒にいたいのっ……そのくらい晋助さまが大好きなんで、すっ……えへへ」
酔ってふにゃっとした笑顔で抱きつく凛の耳に軽く口付けると、凛はピクッと体を震わせた。
すると凛は高杉から体を離し、自分の着物の帯に手を掛けたではないか。
「オイ凛、何やってんだ」
「…だってぇ…この部屋、とっても暑いんだもん…」
凛は高杉の目の前で帯をスルスルと解くと、着物の前をはだけさせてその身体を露わにした。
「晋助様もっ…暑いでしょ?」
胡座をかく高杉の上にのしかかって、凛は高杉の着物の襟を掴んだ。そしてそのまま今以上に前をはだけさせると、真っ赤な顔で荒く息を吐きながら言った。
「晋助さまぁ…っ…わたし、身体が……熱くてっ……」
「……」
「……晋助様の前だと……さらに熱くなって……んっ」
「…、」
「…頭までクラクラしてぇ……からだっ……おかしくなっちゃうっ……」
涙で潤んだ目の凛を前に、高杉も思わず唾を飲んだ。