第13章 真夏の熱
外では絶え間なく蝉の鳴き声が聞こえる。
真夏の日差しが高杉の頬を焼いた。
「っ…」
さすがの高杉もこの焼けるような太陽はどうすることもできなくて、ただ顔を顰めて日差しを避けることしかできなかった。
そろそろこの暑さに嫌気がさして、この部屋から出ようとして立ち上がろうとした途端、部屋の扉がコンコンと鳴った。
「…晋助様?いらっしゃいますか?」
扉の奥から聞こえたのは凛の声だった。
軽く返事をすると、扉がゆっくりと開いてそこに姿を現したのは声の通り、凛だった。
「晋助様!」
「…なんだ」
「こんなところで何をしているのですか?暑くて倒れてしまいますよ」
「暑すぎて動く気にもならねェ…」
「熱中症になってしまいます。早く移動しましょう」
凛は高杉に近寄ると、心配そうに顔をのぞき込んだ。
「…大丈夫ですか?」
「……」
高杉はしばらくぼーっと凛の顔を眺めると、いきなり凛を抱き寄せてその首筋に唇を寄せた。
「きゃっ!」
「…ん」
「あっ、汗かいてますから!汚いです!」
「たまにはこういうのもいいじゃねえか」
「!?」
すると高杉は畳の上に凛を寝かせると、襟の隙間から手を差し込んでやんわりと嫋やかな胸を揉んだ。
「やっ…汗かいてるからだめですっ、」
「構わねえさ」
半強制的に汗で濡れた体を撫でると、凛はピクンと体を震わせて高杉を見た。
「そんな可愛い顔で睨まれても煽るだけだぜ」
嫌と言いながらも、凛は手で顔を隠すだけで特別抵抗はしてこない。
高杉は楽しそうに笑うと、深く凛に口付けた。