• テキストサイズ

【銀魂】 夢か現か

第11章 太陽と月








「………晋助様」


「なんだ、」


「……ひとつ、聞いてもいいですか?」


「あァ」




思い切って、前からずっと気になっていたことを聞いてみた。






「晋助様のその左目…もう痛くないんですか?」




すると高杉は少し置いてから言った。






「もう痛くねえよ。傷が疼くこともねェ。」



「そう、ですか…」







凛には、右目も左目もある。


高杉は右目が見えていても、いつも包帯に覆われた左目は見えていないのだ。



その理由は一応知っているが、これ以上深く訊いてはいけない気がしていた。






「あの…もし気にかけさせてしまったらごめんなさい」


「聞いといて何言ってんだ。それにもう気にしてねえよ」






片方といえど、目が見えないことの大変さと苦労は計り知れない。






それについて、高杉自身はどう思っているのだろうか。








「コイツのこと気にしてんのか?」




高杉は持っていた煙管で左目を指して見せた。




「…はい、」



「俺には右目が残ってんだ。それに手も足もあるし耳も聞こえる。そのうちの一つがなくなろうがかまやしねえよ」






そして包帯の上から自分の左目に触れた。







「だが、これ以上は御免だな」






すると高杉は向かいに座っていた凛を引き寄せて膝の上に乗せた。






「お前のツラが見られなくなるのは御免だぜ」





「晋助さ、」




「抱いてる時のお前の姿も、俺の下で啼いてる声もまだ見てえし聞きてえからなァ」




「っ……」






その言葉が恥ずかしくて、思わず凛は頬を染めた。




/ 271ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp