• テキストサイズ

【HQ】ストロベリーシンドローム

第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍


今日は、ツッキーに誘われて放課後図書室で一緒に勉強をしている。
図書室には私たち以外誰もいない。
それでもツッキーはいつもより、少し小さな声で話しかけてきた。

「石井さんさ、最近、影山と喋ってないね。」
「そうなんだよね。なんか、そっけなくて。」


私が苦笑いして言うと、ツッキーは笑顔で


「その分、こうやって僕と喋ってくれる時間が増えて、嬉しいけどね。」

と言った。
その言葉に思わず、大きな声が出る。

「ちょっと!不意打ち!!ひどい!」
「別にひどくはないでしょ。」

ツッキーは「あと、ここ図書室だから。」と付け加え、静かに話すよう促した。

「はずかしいから!そういうの!!」
「僕のこと、たくさん考えて欲しいから、こういうこともたまには言わないとね。」

ツッキーはこういうとき、いい笑顔するよね。
余裕のある顔。


「そんなこと言われなくても、割とツッキーのことは考えてるよ。」


私がそう言うと、珍しくツッキーが驚いた顔をしたかと思うと、机に突っ伏した。


「何?照れてるの?」
「違う。」
「照れてるんでしょ!!」

私がそう言うと、ツッキーは真っ赤な顔をこちらに向けた。


「ツッキーでも、そんな顔するんだね!」
「誰のせいだと思ってるの?」


そう言うツッキーをかわいいと思った。
/ 260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp