第11章 「 さんかく 」 影山飛雄*月島蛍
いつものように、飛雄の部屋に行き、いつものように飛雄のベッドに寝転んだ。
緊張しないように、しないように。と、“いつも通り”を心がけた。
「あ!飛雄。お帰り~!」
扉が開いたのと同時に、笑顔で飛雄を迎え入れた。
何度も、何度も頭で考えて、シミュレーションした言葉を出そうとすると、飛雄はため息をついた。
「もう、こういうのやめてほしいんだけど。」
「え?何が?」
「勝手に、俺の部屋に来て、勝手にベッドで寝転ぶの。」
今まで、そんなことを言われたことはなかった。
少し、驚いたけど、明るく答える。
「なんでー?!いいじゃん。飛雄のベッド気持ちいいし。」
そう言えば「仕方ないな」なんて言ってくれると思ってた。