第8章 「 かのじょ 」 二口堅治
「俺、どうしようもないやつだけど、でも、真由のことは大事に大事にしていきたいから。」
俺がそう言うと、真由も俺の背中に腕を回し、ぎゅっと力を入れた。
「二口くんが、私のこと、大切に思ってくれてるの、わかります。だから、私も二口くんを大切にしようと思えるんです。」
小さな声でそう言った。その表情は見ることはできなかったけど、最愛の人にここまで言ってもらえて、俺はなんて幸せなんだろう。
俺、絶対、絶対、悲しませたり、つらい思いをさせたりしない。
絶対、誰よりも、何よりも大切にする。
おわり