第2章 [別れ、そして出会いと再会]
まだ巨人を憎んでいるからいいけど...
もし、巨人すら憎く思えなくなったら?
そのまんまじゃ、きっとシーラは責任感に押し潰される。
闇に飲み込まれてしまう。
もう、どうして私はシーラを見守ることができないの。
「ごめんね...」
シーラは訳が分からない、といった顔で首を傾げている。
ああ、お願い。どうか、この純粋無垢なシーラの闇を照らしてくれる人が現れますように。
私にはそう願うしか無かった。
私はそうするしかシーラに恩返しできなかった。
これからのシーラの運命を知らずに...
第1.5章「ニコの願い」 終わり