• テキストサイズ

【進撃の巨人】あの日の少年

第2章 [別れ、そして出会いと再会]


第1.5章「ニコの願い」




「こんな時でも笑えるなんてすごいね!」

シーラが言った。
一歩見方を変えたら嫌みに聞こえてしまうが、シーラは無邪気に笑っている。
...シーラだって笑っているじゃない。

「ありがとう。
私がしっかりしないと、もう、親は...」

シーラは察した様子で

「そっかぁ...同じなんだね。」

と言った。

「私はね、本当はウォール・シーナに住んでいるの。
けど、今日は別居のマリアに来てた。
...家族もいない。兄弟姉妹もいない。従者もいない。だから私が家を守らないと。代々守ってきた家なんだ。」

頼れる人はもう、いないんだ。
私がしっかりしないと。

「そうなんだ。ニコはしっかりしているからきっと守れるよ。」

そう言って、なぜかシーラは悲しそうな顔をした。

「私はね、調査兵団になる。」

びっくりした?、と言った。
そりゃあ、驚いた。
まぁ、シーラなら巨人に立ち向かえるだろうけど、恐ろしさを知ったはずだ。

「...な、なんで?」

「確かに両親は巨人に喰われた。でも...



私のせいなんだよ。」


...シーラを差別していた人類を憎んでないように見えた。
そして、巨人をあまり憎んでない...?

「巨人が...憎くないの?
シーラを化け物扱いした...人類は憎んでないの?」

私が聞いた。

「...人類は憎んでない。だって仕方ないから...私は化け物だもん。憎む理由はないかな...
でも、巨人は憎いよ?両親喰ったし、おばあちゃんとお姉ちゃんに会えないのは巨人のせいだよ?


...さっきだって、私が巨人に喰われるギリギリまで瓦礫を退かしてお母さんを担いで逃げていればよかったかも知れない。

でも、もう後悔しても遅いでしょう?
だから...巨人を殺す力を身につけて、巨人を全滅させる。

そして...おばあちゃんとお姉ちゃんに会いに行く!
壁の外に出るんだ!」



シーラは本当に...調査兵団になりたいんだ。









そしてシーラは....



優し過ぎるんだ。





/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp