第5章 みんなで一緒に。
「よく分かんないけど、スズナそろそろ花火らしいから行くよ」
「あ、待って~!」
はあ、リョー兄気づかないよな絶対…
わざとなのかな?
「桃先輩、花火まだですか~?」
「あと少しだと思うんだけどな…」
リョー兄たちについていくと、見晴らしのいい丘の上についた。
「お、あれじゃないかな?」
大石先輩の声を聞くと、
「わー!」
すぐに花火がうち上がった。
きれい…
久しぶりだなぁ、花火見るの。
最後に見たのはいつだったけな…
あれ?
本当にいつだ?
何で思い出せないんだろう…
「リョー兄…」
私は、不安になりリョー兄を呼んだ。
「どうした?」
「……ううん、やっぱり何でもない」
「……そっか」
そう言うとリョー兄は、また花火の方を向いた。
リョー兄に心配かけたくないから、つい何でもないって言っちゃったけど…
本当に何だったんだろう…
私は、花火を見ながら不安な気持ちになった。