第3章 糖愛 <オッサン 年の差 わちゃわちゃ 幸せ>
「どういう事も何もねぇ。とりあえず行くぞ。」
「あッ..!ちょっとぉ..」
ヒドイン〜!!待って待ってン〜〜!!と、クルクルのエクステつけた、く、くそ新人と言われてしまっているお方を尻目に、ホテルの中へ駆け込んだーー..。
「って何ドサクサに紛れてか弱い女子高生の私をラブホに引き込んでんのおっ...!?ッッて、アンッ!!」
はぁはぁ、と、ホテルの室内で息を漏らす。ドサッ!と、ベッドに押し倒される。
「男はみんな、獣なんだよーーーー。」
甘く甘く、耳もとで囁かれ、私は抵抗してるのに..制服の中に手を入れられた。
「ーーーってなると思ってたのに!!!」
と私はわかりやすくプンプン怒っていた。
「あ?なんだよ?」と草樹は、本屋さんみたいに、ポンポンする掃除道具を手にしていた。
「っ..!「そうだ、女子高生のお前から見て、この部屋はどうだ?ダサいか..?遠慮せず何でも言ってくれ」
「〜〜〜〜っ!!!!!!もういいッ!!草樹なんて知らないッッ!!!他行くもん!!!」
結局その後、なんやかんやで、"店長"として、ホテルをより良くするには、その意見出しに付き合わされた。
「ここのホテルの部屋ぁ、てんちょンがイトコの西川瑠々ちゃん含め若い人向けやらでやたらピンクとかハートとか多いンだよねン〜、だっからラブホだってますます勘違いされやすいン〜♬」
「何説明口調で語ってだらけてんだ、君。いや、クソ新人野郎が」
と、廊下をモップでかけている。
「ホントに彼女となんも無かったのン〜?」
ピクッ、と店長が手を止める。
「お前は何が聞きたいんだ...?というか早く仕事しろよ仕事を」
カウンター人がおどけたように目を丸くし、直後、ニコン♬と嗤った。
「ホントウは、ちょっと好きだったんでしょン?彼女の事がン!」
一瞬の無言。無言は、大抵、肯定の意味である。
「おかしな事言うなよ。それにもう、アイツは本当に好きだった相手と付き合い始めたんだぞ。俺、俺の事は..、すげぇ長い目で見て、ずっと一緒にいるし、年頃だし付き合ってやってもいい位だったんだ」
「..ふ〜ン?」
頭を小突き、店長はどこかへ去る。
カウンター人はそんな店長の背中を、見続けていた。
糖愛 【完】