• テキストサイズ

ホテルの事情[R18]

第2章 同愛    <学生 百合 純愛  少し·····>



「好き...」

もう、この想いを隠したりはしない。

色めき立つみんなを差し置いて、私は螺園ちゃんだけを見つめていた。

「ちょっとぉ..何言ってんの...っ!私、結局家から出ていったっきり一人暮らし始めちゃったから、この先どうなるかもわかんないのにぃ...」

膨らんだ螺園ちゃんの頬は、咀嚼した苺のように毒々しい赤。

ーーー可愛い..

彼女を噛んで、砕いて全て飲み込んでしまいたい...

「なんとかなるよ...おうちの人にバレちゃって、どうしようもなくなったその時は、..」

螺園ちゃんの、しっとりとした指を握りしめる。机の下で。

「駆け落ち、しよう?」

そう、続け..螺園ちゃんへ首を傾ける。

「な、なんでそんな余裕なの...!?かつての瑠々はどこにいっちゃったのよ..!!」

好きな人に抱かれ、そして抱いた私は強かになってしまったのだろう。

例えばこの先、誰かに後ろ指をさされても、罵られても...

螺園ちゃんと共に生きられたら、私は、私は...

何にだってなれるの。

「こんな私は嫌...?」

彼女の瞳を覗き込む。

ーーーねぇ瑠々...

「い、イヤ...!!じゃないけどっ...!!学校ではやめなさいよッッ!!」

ーーー昨日は、怒鳴ってしまってごめんなさい...

「じゃあ明日のお休み、ゆっくり返事をきかせて...?」

螺園ちゃんは、その場で押し黙ったままだった。

ーーー黙ってごめんなさい...でも、本当は私...私...

ーーーーーー瑠々の事、愛してる....っ

ねぇ螺園ちゃん。

目を合わせてくれなくなった、耳元の赤い彼女を眺め続ける。

まだ明日になってないのに、もう見えちゃった...

触れられないのに愛おしい、

この世で1番の、

幻が...............







第2章 同愛    <学生 百合 純愛  少し·····>   完





/ 182ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp