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ホテルの事情[R18]

第2章 同愛    <学生 百合 純愛  少し·····>連載中




「ッ...!」

「瑠々ッ...!?」

一瞬の疑念を、彼女は見逃してくれなかった。

「ま...まだ.....っ」

彼女の、赤い頬の上にある濡れそぼった瞳が、私の心を捉えた。....ああ、そんな目、しないで....。

「もしかして、....過去の事、許してくれないのね.....?」

彼女ーーー螺園ちゃんは、上半身を白い布団で隠した。まるで、浮気現場を見られた浮気相手役の女性みたいに。

「っ!」

かぁっと、胸に込み上げてくるものがあった。それは、"怒り"だった。

「許してくれないのってーーーーー!」

と、ここまできて、私は口をつぐんだ。な、何...?と言う風に、大きくて純粋な瞳で、彼女はこちらを見てくる。

ーーーー何よ、まだ私が許せてない、逆に、それを見透かした自分の方が遥かに大人ですよってニュアンス。

彼女は実際そんなこと思ってないかもしれないけど、私にはそう見えてイライラしてしまう。

ーーーー許す許さない以前の問題だよ。貴女が、私の事、

今、いじめてないかって、私は怖い、だけなんだよ....。

ほんの数ミクロンだけ、自分が泣きそうな気配を感じ取ったので、気持ちをキュッと切り替える。

ここで泣いたら、彼女はきっと心配する。なんか、....それって、自分が弱い立場の人間みたいに思えてーーー今は、そんなのイヤに思った。

なんでだろう。なんか、いじめられているかもしれないって思ってるのに、彼女は、私が泣いた時に心配してくれるという確信があるのは、なぜ。

それってもう答えは出ているような気がしたけど、とにかく、私は続ける。

「っ...しょ、証明してほしいの.....っ」

声を、絞り出す。

「え...?」

彼女が、私の頭を撫でようとしてくれたのが、気配で分かった。でも、顔を俯かせたまま、続けた。

「....貴女がっ....過去みたいに、私の事、思ってないのってーーーーーーー」

いじめ、という、単語はお互い出せていない。

いじめ、って、酷いニュアンスだから。酷すぎて、聞いたら相手が笑っちゃうかもしれないから。何いじめられてた奴が「私がいじめられた過去」っていじめっ子に言ってんだ?みたいな感じで....。

「絶対にぃっ..前とは違うって.....証拠を、見せて.......っっ?」

初めて言う本音。

声はガタガタ。
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