第7章 同愛 2 <学生 やおい 純愛 短編>
「アハハハッッ···っ!!!やめろってバカ!」
これが俺の口癖。必死に小さな声で言うけれど、変な声が時折出てしまう。
「ははは我の手で悶え苦しむが良い!!」「そこのカップル!うるさい!」
これが定番で教室が沸く。俺はこちょがされている方なのに、こいつーーー佐々木瑞木と一緒に怒られた。
ホント仲良いよなお前ら、デキてんじゃねぇの!?と周りの奴らにからかわれた。
「おい柏木に触るんじゃねえ!!俺らデキてんだから!!」
ブイッ、と手をチョキの形にし瑞木は俺の肩に手を回した。
「···え?」
皆固まってる···!
「違ぇよ冗談言うなよっ!」
と俺が言ったら、周りの奴らはまた沸く。
本当にやめてほしい··。
瑞木の奴たまにサラッと突拍子のない事言うからな。いや、昔からそうだからもう慣れたけど。
「あーんひどおーい柏木ちゃん!!」「きもい」
わざとらしく俺に抱きつくこのバカを見て、まんざらでもないのがこの俺。まぁ、親友って俺は思ってる。認めたくないけど良い奴だからな。
退屈な授業が終わり、放課後になり、開始2分で英語しりとりに飽きたところの帰り道。
「暇ーだから何か賭けね?」「久々だな。10円?」「違う50円玉だっ!!」
と、瑞木が玉を強調させて言うのは、さっき暇つぶしに財布の中の見せあいした時、2人共50円玉が無かったのからだ。
「じゃあそこの大きいマンホールまで早くついた方が
勝ち!」
「小学生かお前めんど、却下」
「位置について、ドン!!」「あ待てやコラァ!」
と賭け事になってムキになる俺も俺だな。と思いながら全力で走る。
久々に全力疾走したから、膝がかくんってなったり足がもつれたりしたが、勝ったのは俺。ドヤッ。
「さぁどうやってお前は50円玉を出す?」
と、息切れしてニヤニヤしながら聞いた。
そしたら、瑞木はなあなあ!と言って俺の袖を引っ張る。
「50円玉「ちょっと行ってみねーか?普段行かない道だよな!」
いや50円玉···と思ったが、ああ?とそちらを見る。
「ああ··、ちょっと夜の街っぽいとこ」
「な!行って見よーぜ夕!」
おう、とちょっと興味はあったし普段行かない場所だったから瑞木に付いていく。そして、はた、と思った。こいつ、2人だと
夕って言うよな···。