第6章 謙愛 <学生 格好良い ハジメテ同士>
「いらっしゃいませン♪」
「あ、··あの··っ!!」
広が、頑張って声を振り絞る。広のシャツをちょっと掴み、この、ラ、ラブホテルのカウンターに立っている人から目線を逸らす。広が、少し震えているのに気が付いた。
私、西川 瑠々大学3年生は1年半位前から広と付き合い始めた。
告白の時の事を、今でも鮮明に覚えている。
当時彼に好きな人がいるって噂されてて、ずっと好きでいたたまれなくなって、メールで中庭に来てくださいって送ったんだ。緊張
広は来てくれた。
「瑠々..」
と、私の顔を見た瞬間、辺りを首をブンブン振り回して誰もいない事を確認し、私が告白するタイミングを探していたところに、
「すっ···西川の事がずっと好きだった!付き合ってくれない か?」
まさかの逆告白。耳まで赤くして言った彼に、
泣きながらはい、と言った。
そして、一週間経った帰り道。「ん··!」「あっ··う、うん··っ!」
その後お互い手汗を足にふく、という同じ行動をし
てふふっ、あははって笑って広は私の手を握った。
ふいたばかりなのに、また手汗が出てきてお互い謝った。
さりげなく握ろうとしてくれたみたいだけど、変に力が入っていてぎこちない手の握り方だった。話題を考えて話すだけで精一杯だった。
お互い、初めて出来た彼氏彼女だった。
数ヵ月も経つと、結構当たり前に手を繋ぐ事が出来るようになった。
初キスも、その頃。
1年経って友達に「そろそろHとかしないの?」とか言われて、ちょっと焦ったけれど、半年経ってやっとお互いそういう気持ちになってきた。
昨日、広が、
「瑠々の全部、俺に···くれないか?」
照れながらも甘い視線を向けられて、
「う、うん···!!」
そして、今日··!!
「へっ、部屋だってさ瑠々はどの部屋が良い?」
「え、えええっとこれかな···」
てきとうに近くにあったのを選んだ。
だ、大丈夫だよね!?
体もこれまで以上に洗ったし、色んな雑誌読み漁って可愛いブラつけてきたし、た、体調だって整えてきたし!!