第252章 417.DEICIDE19
ゆっくりと 藍染が乱菊へと近づいていく。
しかし、背後から聞こえる足音に 視線を向けると、そこには黒崎一護が 一心を担いだまま ただ静かに立っていた。
一心が地面へと降ろされ 臨の視線がそちらに向かう。
「い…………ちご……」
一護は視線を遠くへと向けると妹たちと友人達の無事に 良かったと呟いた。
「臨…………ありがとな」
一護の視線が 藍染へと向かう。
「………黒崎一護」
酷く落胆した声の藍染の声が辺りに響いた。
「本当に君は 黒崎一護か?」
「……………どういう意味だ?」
「本当に黒崎一護なら、落胆した。
今の君からは 霊圧を全く感じない。
霊圧を抑えていたとしても、全く感じない事などあり得ない。
君は進化に失敗した。
私の与えた最後の機会を 君は取り零したのだ
ーーー残念だ 黒崎」
「藍染、場所を移そうぜ。
空座町で俺は戦いたくねえ」
その言葉に 藍染は無意味な提案だと吐き捨てた。
「それは、私と戦う事のできる力を持つ者のみが口にできる言葉だ。
案ずる事は無い、空座町が破壊される迄も無く君はーーー」
直後 藍染の顔面はその掌に掴まれ 大きく飛ばされた。
「な………に………………!?」
突如荒野へと叩きつけられ その衝撃波で砂埃が舞う。
なんとか体勢を保ったまま着地したものの、その圧倒的な力に藍染は驚愕した。
「……馬鹿な…………私が力だけで………!」
「始めようぜ藍染
一瞬で 終わらせてやる」