第244章 410.DEICIDE12
「そういえばさ」
小川みちるを背負ったたつきは 同じく本匠千鶴を背負う浅野へと疑問を問いかけた。
「あんた 小島捜しにいかないの?」
「…………うん。一応捜したんだけどな。あいつ一護がいなくなってから 一人で学校来てんだよ。ケータイも出ねーし 多分まだどっかで寝てんだと思う」
その言葉に たつきはもう少し仲いいんだと思ってたと言うと 浅野は距離感だよとぶっきらぼうに答えた。
「水色があんななついたの 一護が始めてなんだよ。あいつすぐ壁作るから 自分から歩いてくとこ見てるだけで こっちは嬉しんだ…………」
その言葉に たつきは少し 寂しそうな顔をする。
「………とりあえず 千鶴とみちる学校に置いたら あんたは小島捜しに行きな」
気を使ってか 使わずか そんなことを言うと 浅野はクラスメイトの国枝と夏井はいいのかよと呟いた。
「あの2人は自分でなんとでもできるでしょ あたしは遊子ちゃんと夏梨ちゃん捜してくる」
「親父さんいるだろ?」
「どうせあそこの親父は一緒にキゼツしてんでしょ」
その言葉に 浅野も納得する。
そのまま先へと進もうとすると
瞬間 感じた空気の重さに 浅野とたつきは立っていられなくなり 地面へとしゃがみ込んだ。
「……….な……何だよ……これ……!?有沢……っ大丈夫か……!?」
「うっさい….あんたに心配されなくても………」
目の前に現れた 白い服の人物たちに たつきは目を見開くと 怒声のような 悲鳴のような声をあげた。
「逃げろ!!」
しかし 浅野の足は動かない。
「ーー大したものだ ここまで近付いても存在を保っていられるとは」
「………あんた……誰……」
息も切れ切れに たつきが問いかける。
「芭蕉臨を完璧へと仕上げるためには 君達の死という事実が必要になる」
男の持つ その刃が 自身に向けられていることに これから起こるであろう惨劇に想像がついた。
逃げなきゃ。
わかってはいるのだ。立ち上がり逃げるだけ。わかってはいるのだが
動けない
「逃げて浅野!!」
たつきが叫ぶ。
「早く逃げろ!!あんたがここに居て なんかできんのかよ!!」
少しでも 時間稼ぎができれば。
逃げ出した浅野達を 横目で見送る。
あ みちる 下ろさなきゃ。
だめだ 間に合わない
もう