第243章 408.DEICIDE10
違和感の拭えないその見慣れた街並みを 浅野圭吾はひたすらに走っていた。
「何だよ……何なんだよ…………どうなってんだよ…………みんな道端で寝ちゃってるし 車も信号も止まってるし………オカシーよ…何だよこの世界の終わりみたいな光景…………夢じゃねーんだぞ…映画でもねーんだぞ………たのむよォ〜〜〜〜!誰かおきてねえのかよォ〜〜〜〜〜〜!!」
その浅野の声が届いてか 何者かの腕が彼の顔面へとめりこんだ。
「おべエエエエエエッいてえなッ!!何すん……あ」
その腕の人物に 浅野は歓喜する。
「有沢!!!よかったァ〜〜!!とりあえずオマエとはいえ 人に会えてよかった!!ていうか周り見た?オマエ マジでみんな寝ちゃってんだろ ホントもー世界に俺だけしか起きてる奴いねーんじゃねーかとか思っちゃって 俺寂しくてさあ!!イヤしかし生きててよかったよ!!別にオマエの心配したわけじゃねーけどさ!むしろ俺の方が心配してほしーぐらいで そういやオマエ水色見た?俺はまだ!!あ!ていうかなんでラリアットで止めんだぶっ」
浅野のマシンガントークが たつきの鉄拳によって止められた。
「……うるさい」
「…………はい …すいませんでした…………」