第229章 -107.Tune Back The Pendulum2
「各隊長の耳には伝わっている事と思うが 七日前 十二番隊隊長曳舟桐生に 昇進の為退位せよとの命が下った。
それに基づき 同日より新隊長選任を開始し その旨各隊隊長に通達。
翌日 二番隊隊長四楓院夜一の推薦により 同隊三位の席官を召喚した。
そして昨日 この山本元柳斎 並びに隊長三名立ち会いの下 隊首試験にて 隊長資格を検分
その能力・人格に申し分無しと決論した。
よって
ここに元・二番隊第三席 浦原喜助を 十二番隊新隊長に任ずるものとする」
「臨」
「銀嶺隊長」
新任の儀が終わり 隊長格が解散すると 朽木銀嶺は臨に声をかけた。
「久しぶりだな。次はいつ 白哉に稽古をつけにくるんじゃ」
「そうですね……白哉と約束しているので 明後日には伺う予定です」
「ふむ 二日後 か」
銀嶺が 少し考える。
「どうかしましたか?」
それに臨は不思議そうな顔をすると 彼は口を開いた。
「実はお主に見合いの話があってな。相手は上流階級の貴族なのだが」
「朽木隊長!」
突然の大きな声に 二人の視線がそちらへと向く。
「臨は俺が口説いてるのだから、そういうのはやめていただきたい!」
そう言われ臨の肩を捕むと、その男は力任せに彼女を引き寄せた。
「十四郎」
その様子に 銀嶺は一瞬大きく目を見開くものの 直ぐに穏やかに目を細めると なら仕方ないなと笑った。
「十四郎、私は百年以上前に別れ話をしたと思ったんだが」
「それはオレが隊長だからだろう?そろそろ引退も考えているし、どうだろうか」
臨の肘が浮竹の溝尾に当たる。
その様子に銀嶺は どこか嬉しそうに目を細めた。
「ルキアが自立して 結婚するまで私は結婚する気はない!」
バッサリと切り捨てるものの 浮竹は臨を離す気配はない。
「お前なあっ そもそも銀嶺隊長の前でくっつくなっ!一応仕事時間だからな今は!それにここは一番隊舎で……」
元柳斎の咳払いが聞こえ 臨の肩が跳ねる。
「………すいません」
臨は一応 謝罪を口にした。