第221章 308.SATAN FROM ORBIT
「ハッ 納得がいかねえんだろ?」
頭を貫く剣を ゆっくりと抜いていく。
「頭を貫かれて死なねえ奴なんか居る訳が無え そう思ってんだろ?」
そのまま 眼帯を持ち上げると そこには穴が空いていた。
「その通りだ」
刀が放される。
「頭を貫かれて死なねえ奴なんか居ねえ てめえの剣は俺の頭を貫いちゃいねえ。俺の頭を ただ素通りしただけなんだよ。解るか その辺がてめえの底だってことだ 死神」
しかし 剣八の口元がニヤついて居ることに気がつく。
それにイラついたのかノイトラは 彼を蹴り飛ばそうと足を回した。
「悪りィな 嬉しくてよ つい笑っちまった」
その足が 止められる。
「嬉しい……だと?」
「あァ 斬れねえ上に 斬っても死なねえんじゃ斬る楽しみもクソも無えが 少なくとも 斬りゃア死ぬって事ァ分かった。
充分だ。これでてめえを斬る楽しみができたぜ!!!」
「だから斬れねえって言ってんだ!!馬鹿が!!!」
剣八の剣が ノイトラへと振り下ろされる。
激しい打ち合い。
どれほどの時間が流れたのだろう 振り下ろされる刃に対応しようと ノイトラは腕を伸ばすと そこから刃が入り込む感覚に振り払った。
「あァッ!!」
その様子に 剣八は刀を振って血を落とす。
「…….どうしたよ?急に斬れたモンで自分でビビッてんのか?だがよ 一回くらいのまぐれで勘違いすんじゃ……」
「おら もう一丁だ。来いよ」
その挑発に ノイトラは乗る。
「調子に乗んじゃねえ!!!」
鎌と刀が交差する。
お互いの力の押し合い しかし
ノイトラの鎌の先が 斬れた。
剣八の刃先から 血が放物線を描き跳ねる。
「くそ……ッ」
「…どうも……ようやく慣れて来たみてえだな……てめえの 硬さによ」