第213章 290.Unleash The Beast
「……元………….十刃…?」
臨が呆然と呟く。
「そうだ!何だ?危険は無えとでも思ったか?バカが!てめえら全員騙されてんだよ こいつにな!」
すると ネルは臨の顔を見て ウソだと呟いた。
「ウソっス そんなの……ネルが十刃なんて……そんなのありえないっス……」
「……あ?何言ってんだお前?ふざけてんのか?まさか忘れたとか言うんじゃねえだろうな?」
ノイトラが舌打ちする。
「忘れてなんか……ないっスよ……だってネル…十刃じゃないっスもん………」
「……………しばらく見ねえ間に 違う意味でイラつく奴になったみてえだな
つまんねえよ お前」
「……臨…………信じてほしいっス……臨………」
懇願するように ネルが臨を見つめる。
「ネルは……ネルは臨たつをだましてなんかいないっス………」
臨の表情は ネルからは見えない。
けれど その優しい声に ネルは安心した。
「当たり前でしょう」
その瞬間 ノイトラの足が 臨の側頭部を打った。
「っ……ぐ」
テスラの手から離れ 臨が飛ばされる。
「臨!!!」
「はっ どうも記憶を失くしてやがるみてえだが……まァいいさ あんだけハデに頭割ってやったんだ 記憶失くすのもしょうがねえって話だ」
臨の目が大きく見開く。
「……割ってやった…………?」
「そうだ」
次の瞬間 ノイトラはネルの頭の仮面を掴み 高く持ち上げる。
「こいつの頭は俺が割ってやったんだよ!!」
「貴様っ!!!」
臨が立ち上がろうとするも 失血により身体がグラつく。
それを見逃さず ノイトラは臨の腹部に鎌の峰を叩き込むと 彼女は蹲った。