第203章 282.THE PRIMAL FEAR
臨の体が大きく吹き飛ばされ 柱へと叩きつけられそうになる。
しかしその柱さえも足場にし 臨はグリムジョーへと弾丸のように向かうと その攻撃は流され 今度は掴まれたまま壁へとぶつけられた。
「どうだ!これが十刃の解放だ!これでもまだてめえは卍解しねえってのか!?」
「卍解しないのか って?……笑わせるな キミ程度なら 始解でひねりつぶせる」
臨がグリムジョーへと 左の刀を振るう。
するとそれは 見事に男の体に傷を付け 辺りを血で濡らした。
「っく………ッ」
グリムジョーが反撃へと 脚を臨の腹に伸ばす。
しかし それは斬魄刀の峰で止められると 宙へと放り出された。
それでも 猫のように体勢を立て直し 再び臨へ攻撃する。
臨もそれを避けるものの 後から追ってきた グリムジョーの尾に頭から当たると その体を地面へと打ち付けた。
続けて グリムジョーが臨にトドメとばかりに向かう。
それに臨は剣を向けると 横に攻撃を流し 体を回した。
その攻撃を グリムジョーも腕の鋼皮で受け止める。
そして 肘から五つの弾のようなものを 臨の顔に向け放った。
それを臨は躱すものの 背後の人物たちに気付き 慌てて弾の前へと飛び出す。
背で 弾を受け止めると 臨は 口から血を吐き出した。
「臨っ……」
ネルが臨の名を呼び 腕を伸ばす。
「………大…丈夫 だから」
臨と 織姫の視線が合う。
その危機迫る顔に 織姫は恐怖を抱いた。