第12章 12.The Gate of The End
辺りが夕焼けに染まり、月が出てくる不思議な時間帯。
一護くん、ルキア、チャドくん、私は鸚哥を囲んでいた。
「因果の鎖は断ち切れて跡形もない……もう身体には戻れません。」
「ソンナ……」
ガッカリする鸚哥にゴメンねと告げる。
するとルキアはフォローしようとしているのか、案ずるなと声を上げた。
「尸魂界は何も怖いところではないぞ!むしろ腹は減らぬし、体は軽いし!十中八九現世よりも良い処だ!」
「ほー、居候のくせに言うじゃねぇか。……でもまあ、そうかもしんねーな、少なくとも向こうに行けばママに会えるぜ。」
鸚哥の顔つきが変わる。
言葉を続ける一護くん。
「ママをこっちへ生き返らせることはできねーけど、オマエがむこうへいくとしたら今度こそ本当に ママがオマエを待ってんだ!」
「……!!」
刀の柄尻を鸚哥に向ける。
「魂葬、しますね。」
「ウ……ウン!……オジチャン。」
チャドくんに向き直る鸚哥。
「いろいろありがとう!」
分裂していく鸚哥と子供の魂に、目を細める。
「おじちゃんがボクのことかかえて走り回ってくれたからボクはケガもしなかったんだよ………それじゃボク、もう行くね…………ほんとに、ありがとう……」
「ユウイチ」
チャドくんが口を開く。
「俺が死んでそっちに行ったら、もう一度、おまえを抱えて走り回ってもいいか?」
クロサキ医院 子供部屋
黒髪の少女はインコの夢を見ながら、涙を流した。
「ありがと…………」