第174章 239.WINGED EAGLES
月に照らされた道の下
下駄に 帽子の男は煙管を吹かしながら 呟いた
「ーーーいらっしゃい 来る頃だと思ってましたよ
黒崎さん」
地下に着くと 浦原は自身の心中を吐露した。
「アタシは 藍染に井上さんの能力が狙われることを恐れて 今回彼女を戦線から外しました。だが遅かった 彼女の気持ちを考えて 外しあぐねて後手に回ったアタシのミスです。……だから アタシにできることは全て お手伝いするつもりっス」
「……いいのか?尸魂界の判断には背くことになるんだぜ」
「……元々あれこれ 背いて現世に居るもんで」
先へと進んで行く。
すると 背後から声が聞こえ一護は驚き振り向いた。
「随分と辛気臭い顔をしてるな 黒崎!」
「……石田!?お前……何でここに………」
「……決まってる 虚圏に行く為だ 一護」
「チャド……!」
現れた二人の人物に戸惑いながら声を震わせる。
「……浦原さんから話は聞いてる…………俺達も行く」
茶渡のその言葉に 一護は顔を歪める。
「……ダメだ 気持ちはありがてえけど チャド 石田 オマエらの力じゃ……………」
次の瞬間 チャドの拳が一護へと襲い掛かりそうになり 一護は慌ててそれを斬月で受け止めた。
「…………ーーっ!?」
「……これでも……力が足りないか…………?」
「チャド……」
「俺達を信じろ 一人で背負うな
その為の 仲間だ……!」
力強くそう告げる茶渡。
すると浦原は手を叩き 準備はいいかと聞いてきた。
その姿へと視線を向ける一護の目に 迷いはない。
「……漸く 出来たみたいっスねーー準備」